決定的スクリーニング計画をFDSプロットで比較
決定的スクリーニング計画を紹介していますが、実験計画の比較ツールであるFDSプロットで類似計画と比較してみます。
決定的スクリーニング計画と類似計画の比較
決定的スクリーニング計画(Definitive screening design, DSD)は2次の効果も推定できる最適化計画ですが、類似の実験計画である中心複合計画(Central Composite Design, CCD)、 Box-Behnken計画(Box-Behnken Design, BBD)、 Doehlert計画(Doehlert Design, DD)と比較してみます。要因数毎の実験回数を下記に比較します。各実験計画の実験回数は中心点の実験回数を[math] \displaystyle C_0 [/math]、要因数を[math] \displaystyle k [/math]とすると
中心複合計画:[math] \displaystyle 2^k + 2k + C_0 [/math]
Box-Benken計画:[math] \displaystyle 2k(k-1) + C_0 [/math]
Doehlert計画:[math] \displaystyle k^2+k + C_0 [/math]
決定的Screening計画:[math] \displaystyle 2k + C_0 (k=odd)[/math]
と、上記のようになり、中心点の実験回数を[math] \displaystyle C_0 = 1 [/math]としてテーブル化すると下記のようになります。
横軸を因子数、縦軸を実験回数でグラフ化すると下記で、2次以上の非線形なモデリングを行える実験計画のなかでは圧倒的に実験回数が少ないです。もちろん実験回数が少ないと推定精度は下がるので、各効果を見積もれる事と精度は別問題です。次節で定量化してみます。
FDS/VDG plotでの比較
Fraction of Design Space (FDS) plotは縦軸に予測誤差、横軸に予測誤差以下になる領域の実験領域内における割合を取ったもので、Variance Dispersion Graph(VDG) plotは縦軸に予測誤差、横軸に中心からの距離を取ったものです。
中心複合計画、 Box-Behnken計画、 Doehlert計画、決定的スクリーニング計画(Definitive screening design, DSD)について要因数4、中心点の実験回数2でFDS/VDG plotでの比較します。実験回数の一覧は下記の通りです。
CCD>BBD>DD>DSDの順に実験回数が少ないので、実験領域中心点から離れるにつれて実験回数に応じて予測精度は悪化します。Doehlert計画は中心付近に重みをおいていて、決定的スクリーニング計画は実験領外周でもある程度精度を保つようです。実験回数が少ない事自体は魅力なので、この傾向を把握した上で適用したいですね。
まとめ
決定的スクリーニング計画について中心複合計画(Central Composite Design, CCD)、 Box-Behnken計画(Box-Behnken Design, BBD)、 Doehlert計画(Doehlert Design, DD)と定量的に比較してみました。今回も、こちらのツールに実装したものを用いています。