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中心複合計画で乱数実験(3)- 繰り返し数の影響, 曲面性がある場合

中心複合計画で繰り返し数を増やすと、どのように有意差が出やすくなるのかテストする続きです。

今回の対象は、応答が説明変数の二乗和で曲面性があるデータに、正規乱数を加えています。中心複合計画の中心点は0、軸点以外の定義域は-1,1です。ノイズは標準偏差1.0の正規分布乱数を加えています。

それぞれ1000回試行を行い、下記ではP値の正規確率プロット示しています。

中心点の繰り返し数を増やした場合

まずはモデルにない一次項の様子です、P値が大きい方が正解です。中心点の繰り返し数を2(赤)、3(青)、4(緑)、5(紫)、9(橙)と増やしています。中心点を増やしても変動しません。一次効果のみの場合の場合とは様子が違います。

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今回の数値実験対象は二次効果のみ考えていますが、下図のように二次項は中心点の繰り返し数を増やすほど有意差がでやすくなります。一次効果しかない場合の中心点の影響は小さいですが、二次効果への中心点の寄与が大きいことが分かります。

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トータル実験回数が同じ場合

次にトータルの実験回数を揃えて、中心点、完全実施計画の実験点、軸点の実験点を変化させてみます。2要因でトータル17回の実験に対して、中心点(A,赤)、軸点(B,青)、要因計画点と軸点(C,緑)、要因計画点(D,紫)、要因計画点の一部(E,橙)で繰り返し数を増やしています。各実験回数を一覧化すると下表です。

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やはりモデルに含まれない一次項は、繰り返し数を増やしてもP値は変動しません。

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有意である二次項では、中心点が多いA条件以外では有意差が出にくくなっています。一次効果のみの場合とは真逆です。

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まとめ

中心複合計画において、繰り返し数のP値に与える影響を曲面性があるデータに関してみてみました。中心複合計画は二次効果のある応答曲面のための計画ですが、中心点の繰り返し数の影響が二次効果に大きいことが良くわかる結果でした。