実験計画の相関マップ
実験計画の各因子間の関係(交絡)を可視化する手法の一つとして相関マップがあります。各実験計画でマップ作成してみます。
相関マップ
実験計画の相関マップは一部の統計ソフトに実装されています。実験水準の各変数間の相関係数を可視化したものです。よく見られる例では相関係数の絶対値を0~1を青から赤に対応させ、対角線は自分自身との相関(=1)なので赤く、これ以外との相関が低い(青色)と良い計画と判断されます。
効率的な実験計画を追及して実験回数を減らすと、交互作用項に相関を持つ場合があります。L8で一つ目の変数(X1)と、自身以外との変数及び交互作用との相関係数を表示すると下記のようになります。
X1が関連した交互作用項(X1*X2~X1*X8)で相関が強いことはやむを得ないですが、それ以外でもX2*X3、X4*X5、X6*X7などに相関が強めに出ていることがわかります。これらが所謂交絡しているというものです。
この相関係数について一次項と、交互作用項で全ての組み合わせを可視化すると下記のようになります。
例えばX1から実験因子を割り付けていくことを考えます、X3は下図に示すようにX1*X2と相関を持っています。この場合、仮にX1とX2に割り付けた因子が交互作用を持っていると、X3に割り付けた因子の効果を正しく見積もれないことになります。
上記のような交絡関係を確認する場合に、線点図というものもあります。個人的には相関マップの方が直感的にはわかりやすいかなと思います。
直交計画での例
直交計画L8, L12, L16,L9,L27,L81で、主効果と交互作用までの相関マップは下記のようになります。ちょっとアート的な感じです。
L8
L12
L16
L9
L27
L81
まとめ
実験計画の各因子間の関係(交絡)を可視化する手法の一つとして相関マップについて述べました。今回も、こちらのツールに実装しています。