Plackett-Burman計画
ちょっと間がありましたが実験計画法です。主効果に寄与する因子スクリーニングのための実験計画であるブラケット・バーマン計画について。パレートの法則について紹介してみます。
ブラケット・バーマン計画
プラケット・バーマン(Plackett-Burman)計画は、1946年にRobin L. PlackettとJ. P. Burman によって提案された2水準の実験計画法です。プラケット・バーマン計画では、主効果は二元交互作用と交絡しているので、交互作用が無視できることが前提です。このため主効果のみを予測する際の実験計画として適しており、最適化実行時の入力パラメータやその範囲を限定するためのスクリーニング実験計画として用いられます。
プラケット・バーマン計画は数学的にはアダマール行列を用いた計画になります。ブラケット=バーマン計画はアダマール行列の列に因子を割り付けることによって得られます。
プラケット・バーマン計画は実験回数Nが2のべき乗の場合、一 部実施要因計画(fractional factorial design)と同一になります。このためプラケット・バーマン計画は実験回数Nが4の倍数 (i.e. N = 12, 20, 24, 28, 36 …)の場合に明示的に用いられます。プラケット・バーマンの実験回数Nの選択は方法は、入力変数の数よりも大きい最小の4の倍数となります。
下図では代表的な実験計画法の実験回数(N)と検討できる因子数(total facotr)を示しています。黄色ハッチングはプラケット・バーマン計画です。表中右端に実験回数に対する検討因子数の比(total factor/N)を併記しています。一般的なDOEではtotal factor/N=0.4~0.5に対し、プラケット・バーマン計画は~0.9であることが分かります。
プラケット・バーマン計画の最大の強みは少ない実験回数で、多くの因子を検証できる点です。そのかわり、前述の通り交互作用との複雑な交絡があります。簡単に言えば、たくさんの因子の影響が分かるけど細かいこと(交互作用)はわからない、というイメージです。それゆえ、強い主効果をスクリーニングする場合に用いられます。
プラケット・バーマンの例
プラケット・バーマン計画N=12,20,24の例を下記に示します。
注意点
プラケット・バーマン計画で全ての因子を割り付けると、誤差の自由度が0となります。誤差変動と因子変動の比較から有意差検定が行われるため、全ての因子に要因を割り付けると有意差検定が出来なくなります。
まとめ
プラケット・バーマン計画を紹介しました。強い主効果を選別するためのDOEです。
[1] R.L. Plackett and J.P. Burman, "The Design of Optimum Multifactorial Experiments", Biometrika 33 (4), pp. 305–25, June 1946 doi:10.1093/biomet/33.4.305