実験計画法(9)-直交表(3水準系)
これまでラテン方格やグレコ・ラテン方格について書きましたが、さらに一般化すると直交表実験に行き着きます。今回は水準数3の直交表について述べます。
3水準直交表
実験の因子(パラメータ)のどの2つをとっても、その水準のすべての組み合わせが同数回現れるように作成したものが直交表でした。
[math] \displaystyle n=2 [/math]のラテン方格は下記の通りで、
最小の2水準直交表[math] \displaystyle L4 [/math]と同一です。
実は3水準最小の直交表[math] \displaystyle L9 [/math]は、[math] \displaystyle n=3 [/math]のグレコ・ラテン方格と同一です。[math] \displaystyle n=3 [/math]のグレコ・ラテン方格は下記の通りです。
これを降順に数字0~2に対応させると、下記の通りです。
列方向をX0、行方向をX1として、表中の二組の数字をX2、X3と置くと、下記のように縦書きに出来ます。
上記は3水準最小の直交表[math] \displaystyle L9 [/math]そのものです。
3水準の直交表でも他の直交表と同様に分散分析を適用できます。ただし、グレコ・ラテン方格のところでも述べたように、L9の4因子全てに実験水準を割り当てると誤差自由度が0になってしまうため分散分析を行うことは出来ません。
3水準系直交表のヴァリエーション
以下に3水準系の[math] \displaystyle L9 [/math]、[math] \displaystyle L27 [/math]を示します。以下についても、今まで述べてきた性質、解析が適用可能です。
まとめ
3水準系の直交表について書きました。L4はラテン方格、L9はグレコ・ラテン方格そのものです。
例によってこちらのツールにも実装しています。メニューバー"DOE">Make DOE FileからDOEファイルの作成、Analyze DOE Fileから分散分析と水準平均の可視化を行うことができます。