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グラフのフォント

回帰分析を中心に色々な可視化方法(作図)を説明してきましたが、図(グラフ)の中には文字があります。グラフ中の文字について、どのようなフォントを使う一般論をまとめています。私自身はデータとそれを説明する科学的なモデルが重要だと思っているので、誤解なく伝われば何でも良いと思います。で、誤解なくが難しいのですが。

セリフフォントとグラフ

まず、フォントの大別として、セリフ体[1]というものがあります。セリフ(Serif)とは、文字端部にある小さな飾りの事を指します。セリフを持つ書体をローマン体と呼び、セリフのない書体はサンセリフ体[2]と呼ばれます。「サン」とは、フランス語で「〜のない」という意味で、「セリフのない書体」を表すそうです。

グラフ適用時にはセリフが問題となり、下記記事などを参照するとセリフ体ではフォントが小さい場合などに判別の差が現れそうです。

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フォント比較

各フォントでフォントサイズ12と8で散布図を作成して比較してみます。何事も自分で試してみるのが一番。

まずTimes New Romanです。1932年にイギリスのタイムズ紙が新聞用書体として開発したセリフ体です。

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Fig.1 Times New Roman

Cambriaは本文テキストに適したセリフ体として考えられたもので、小さく印刷されたり低解像度の画面に表示されても非常に読みやすく、空白と文字の比率が均等である。

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Fig.2 Cambria

ここからはサンセリフ体です。

Arialはサンセリフ体の一種です、Helveticaと造作が似ており、代用書体として企画・開発されたようです。

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Fig.3 Arial

Meiryoの語源は日本語の「明瞭」とのこと、画面上でも印刷でも明瞭で読みやすいところから名付けられています。今回試した中ではMeiryoがフォントが小さい場合でも一番「明瞭」に見えるように思います。

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Fig.4 Meiryo

Verdanaはイギリスの書体デザイナー・マシュー・カーターとデザイナーのヴァージニア・ハウレットが開発したようです。英単語「verdant」と、ハウレットの長女アナ(Ana)の名前に由来するとのこと。

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Fig.5 Verdana

TahomaはVerdanaに似ていますが、文字間が若干狭く文字幅も小さいそうです。

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Fig.6 Tahoma

主観が入るかも知れませんが、セリフ体の方が装飾的なので、フォントが小さい場合は潰れているようには思います。やはり、これからはグラフ文字はサンセリフ体主体が良いかも。

まとめ

今回はグラフ中の文字フォントについて述べました。通説通りサンセリフ体の方が伝わりやすそうです。今回も、こちらのツールに実装しています。メニューバーからSetting>Optionで解析できます。

[1]セリフ (文字) - Wikipedia
[2]サンセリフ - Wikipedia