Engineering Skills

製品開発エンジニアがデータ解析のノウハウを垂れ流します

工程能力

工程能力指数(process capability index)のCpとCpkです。

管理限界線と規格値

工程管理では一番わかりやすいのはスペック=規格値と思います。それぞれ上限(USL)と下限(LSL)があります。次に管理線として中心線、および上方管理限界線(UCL)と下方管理限界線(LCL)があり、管理限界線は一般的に中心線に対して標準偏差の3倍の±3σが用いられることが多いです。

・上限規格値(USL: Upper Specification Limit)
・上方管理限界線(UCL: Upper Control Limit)
・中心線(CL: Central Line)
・下方管理限界線(LCL: Lower Control Limit)
・下限規格値(LSL: Lower Specification Limit)

データバラツキの正規分布と一緒に示すと、このような感じになります。USL/LSLは適当に置いています。3sigmaだと99.73%が規格内に入り、片側0.135%が規格外になります。USL/LSLが3sigmaだとちょっと心もとないので4sigmaぐらいは欲しい所です。

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工程能力

工程能力とは、定められた規格の範囲内で、製品を生産できる能力のことです。Cpが高いほど工程は管理された状態で、規格外の特性値が出現する確率が低くなります。Cpは以下のように定義されます。

[math] \displaystyle C_p = \frac{(USL-LSL)}{6 \times 標準偏差\sigma} [/math]

Cpの前提として、データの平均値が規格範囲の中心値である、つまりデータの平均値から上限規格値/下限規格値までがそれぞれ等距離であることが上げられます。残念ながら、そのような状況は現実にはありえないことも多いです。

そこで考えられたのが、下記のように片側を計算して、片側工程能力が小さい方を採用するCpkです。

[math] \displaystyle C_{pu}(上限) = \frac{(USL-CL)}{3 \times 標準偏差\sigma} [/math]
[math] \displaystyle C_{pl}(下限) = \frac{(CL-USL)}{3 \times 標準偏差\sigma} [/math]
[math] \displaystyle C_{pk} = min(C_{pu},C_{pl}) [/math]

前節で3sigmaだと心元ないと書きましたが、3sigmaならCp=1。目安の4sigmaならCp=1.33です。

まとめ

今回はCpとCpkについて少し書いてみました。